禅寺の総料理長である典座(てんぞ)は、毎日心をこめて精進料理を作っています。その精進料理は誰が食べるのでしょうか? 具体的には、お寺の各所におられる仏菩薩様にお供えする献膳、それから修行僧、指導役の高僧、あるいはお寺の参拝者や参禅者が食べる食事、そして典座和尚本人もいただきます。

故人の位牌やお釈迦様にお供えするお膳は、亡くなった人のための料理です。そして修行僧や来客者のための食事は、生きている人のための料理です。この二つには何か違いがあるのでしょうか。典座和尚は、そのどちらも同じ心がけで作っています。なぜならば修行僧や参拝者は「生き仏」だからです。故人も生きている人も、同じ仏さまとして、仏法僧の三宝に供養する食事と捉えて料理を作っているのです。

典座和尚は料理を作る際、自分の苦労は顧みず、食べる人のことを何よりも第一に考えて台所に立ちます。自分の為に作る料理も大事ですが、他人のために作るということは非常に尊い修行です。その修行の一つとして、亡き大切な方やご先祖様へお供えするお供え膳を作りましょう。毎日は無理でしょう。お彼岸やお盆、お正月。あるいは故人の命日など、できる範囲でかまいません。手間をかけた精進料理をお供えし、そしてそのお裾分けを自分でも頂く。きっと多くの気づきがもたらされることでしょう。

豊富な実践例、またお供え膳の作法やしきたり等も数多く記載しています。料理は精進料理献立集の中から自分にできそうな料理と入れ替えて頂いてかまいません。大切なことはまず実践することです。

 

心を込めて調えた精進料理をお供えしましょう

お作法とレシピ例を紹介します こちらをクリック

 

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