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お堂の床を住職自ら改修_その1

お堂の床を住職自ら改修_その1

寺の事情で遠方への講演や出張料理などを減らしています。
せっかくずっと地元にいるので、今年の五月は臨時大工さんになりました。え、誰がって。もちろん、私(趣味・日曜大工)です。

山奥にとあるお堂があり、地域の信者さんが集まる縁日に私がお経をあげるのですが、なにぶん古いお堂のため、腐食した床が傷んで危険な状態になっていました。特に住職が座る祭壇前は日当たりが悪く湿気が溜まりやすいため傷みがひどく、なるべく体重をかけずにそーっとすみっこの方に座っても床板が10センチくらいたわんだ状態になり、木魚を打つたびにその振動で床がバッコンバッコンと上下に動くありさまです。
いつ床が抜けるか心配しながらの読経では落ち着きませんし、もはや住職が痩せればすむというレベルは遥かに越えてしまっています。

そこで今年交替した新しい役員さんたちが補修を決断したのですが、いろいろありまして諸事情により私自身がボランティアで補修作業をすることになったのです。まあ率直に言えば費用の問題ですね。
大工さんに依頼すれば少なくとも200万円以上はかかると思います。基礎が傷んで建物が傾いているので、プロの目で点検して見積もりを出せば、悪い部分を見て見ぬ振りはできないでしょうから、必然的に大がかりに直すことになります。細かい部分にこだわったらほぼ建て替えに近い大改修になってしまうでしょう。

将来的には建て替えも考えなくてはいけないでしょうが、まだ壁から上はそれほど傷んでおらず、当面の問題としては抜けそうな床の補修です。役員さんは年配の方が多く、50~60代の方は自分の仕事がありますし、70代以上の役員さんが大工作業をするのは体力的に厳しいものがあります。
そこでできるだけ費用をかけずに行うにはやはり一番の若手である住職が作業するのがベストということで一致了承されました。

いままでに自分で小屋を三棟建てた経験があり、まあ素人レベルですが一応の大工作業はなんとかできます。もちろん自分のお寺は忙しいのですが、そのお堂の次回祭礼は8月なので、時間を見つけて空いた日に通って気長に少しづつ作業をすれば良いわけです。

神聖なお堂を素人がDIYするなんてけしからん、と叱られるかもしれません。
しかし日本中で、先祖代々古くから地域で守ってきたお堂や社が老朽化で傷み、改修費用のめどがつかず放置されている例は多いと思います。そうした同様のケースで、一つの解決策となるかもしれないな、とそんな風にも感じながら作業を行いました。


改修前の床。写真だと普通に見えますが、板自体がもう腐って風化しており、少しの力でパキっと割れてしまいます。また板だけでなくその下にある太い木がすでに支える機能を果たしていないようです。
普段はこの上に畳が敷いてありますが畳自体も湿気で腐りはじめていました。まずはこの畳を床からどかさないと作業が始まりません。軽トラック山盛り4台分の畳はさすがに一人では処理が厳しいので困っていたところ、若手(といっても60代の)役員さんがお一人協力してくださり、なんとか全てゴミセンターに搬出しました。


床をはがしてみると、予想通り根太と大引(床板を支える木)が腐り落ちて外れてしまっています。このせいで床がユワンユワンしていたのです。


お堂の床下、特に祭壇前は清浄であるべきなのですが・・建築ゴミや一升瓶?など異物がたくさん。まずはすべて回収してきれいにしました。腐った根太を取り外すと、大引も奥側の付け根部分が腐って地に落ちていました。一旦全て撤去し、周囲に2×4材を取り付けてそれを支えにして骨組みを組み直します。


自分の寺にあった使えそうな太い角材を一部流用し、あとは2×4材で組みました。束を10箇所以上作ったので今後は私が乗ってもびくともしません。もちろん木魚の振動も大丈夫でしょう。
束は2×4一本で頼りなく見えますが、この後他の部分を補修すると切れ端がたくさん出るのでその時点で同じ材をつき合わせて4×4の太さに増やします。


湿気で傷まないように防腐剤を重ね塗りします。しばらくはものすごい臭いですがこれでシロアリも避けられます。


その上に貼る合板も、下側には防腐剤を塗ります。祭壇前はさらにその上に杉板をフローリングのようにして張り、カシュー漆を塗って格調高く仕上げる予定です。


こちらは信者さんが座る部分。同じように床板をはがすと支えの材木は全て落っこちてしまっています。つまり板の強度だけでなんとか持っていたことになり、よくこれで上に人が乗っていたもんです。いつ床が崩落してもおかしくない非常に危険な状態でした。


この部分は大人数が座るので多めに根太を入れます。普通はもうすこし太い材でピッチを広くとるのですが、今回はホームセンターで安く買える材だけを使うコンセプトなので工夫しながら進めます。なお写真のところどころに写る光の球は、ありがたい御神体の発現ではなく、浮遊するホコリがフラッシュに反射して光っているもの。とにかく床下はものすごいホコリとカビで、マスクをしてもかなり肺に悪そうです。


他にも床が傷んでいる部分はすべて基礎から補修しなおします。元になる太い木にホゾが入る刻みが入っていれば補修も楽なのですがもともとの作りが簡易的なので教科書通りにはいきません。オリジナル状態の骨組みで、傷んでいない部分をうまく利用しながら、なるべく切れ端の材を組合わせて創意工夫で臨機応変に修理します。


補修した下地の上に、合板を張っていきます。家自体が曲がっていて直角ではないので、合わせ目に隙間がでないように角をぴったり合わせるのが非常に難しかったですが頑張ってなんとかしました。

つづく



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