広告



梅の土用干し~太陽の力を凝縮した小粒

今日は夏の土用の日です。雲一つない晴天の中で梅を干します。

最近はウナギも高価になってしまい食べる方も減っているようですが、私はウナギではなく梅干しを干しています。
塩をまぶしておもしをかけ、樽やビンで漬けたものは正確には「梅漬け」です。それを天日で干して、ようやく「梅干し」になるのです。

干さない梅漬けのままでも食べることはできます。しかし干したものと干さないものは明らかに仕上がりが異なり、完全な別物です。
干すかどうかは個人の好み次第ですが、私はやはり干した方が好きですね。

干すことで次のような効果があります。
・余分な水分が蒸発し、実が縮むことでおいしさが凝縮される
・皮が強くなり、破れにくくなる
・食感が変わる
・色が変わる
・余分な塩気が吹き出して排出される
・紫外線で殺菌されることで保存性がよくなる

何よりも、太陽のパワーを吸収して自然の恵みをいっぱいに蓄えた梅を食べると元気が湧いてくるような気がします。


まず梅の桶から梅を取り出します。

私の場合はステンレスボールの上にザルを重ね、そこに穴あきお玉で梅がつぶれないようにそっと一杯ずつ移します。桶の梅をガバッとひっくり返して移す方法もありますが、梅が傷む可能性が高いのと、梅酢が飛び散ってしまうのが嫌なのです。また、ガバッとひっくり返す場合はかなり大きなザルとボールが必要になります。
穴あきお玉ですくって移せば、梅酢は桶に残るので楽です。

しばらくザルにあげたままにしておくと、梅に付着した梅酢がボールにしたたって少し溜まるので、無駄にせず桶に戻します。
その間ザルをアルコール消毒しておきます。


手袋をして梅を一粒づつザルに並べます。以前は梅干し用の竹ザルを使っていましたが、シーズンオフに倉庫で保管中にザル自体にカビが生えてしまうため、今はプラスチックのザルです。
これは重ねることができるので、ザルを屋外に運ぶ時に何往復もしなくてすみます。
特に急な夕立の時などはまとめて運べるし、室内で重ねておけば場所も取らないので大変便利。
お値段は高いのですが、数年使ってみた感想としては強い紫外線に長時間あててもボロボロにならないような耐久性が高いプラスチックになっているように感じます。普通のプラスチックを日なたに老いておくとすぐにもろくなってしまいますから。頑丈で何年も使うことを考えればこのお値段も納得です。

「土用干し」といいますが、無理に土用の日ちょうどに干す必要はありません。梅雨があけて晴天が続く日が例年土用のあたりですよ、という意味でこう呼ぶだけで、できるだけ天気の良い日が続く時期を狙って梅を坪から出し、ザルに並べます。
もし雨が降ってしまうと台無しになり、最悪の場合カビが生えてしまうため、天気予報を良くチェックしてから干します。

一番危険なのが突然激しく降ってくる夕立なので、私の場合は朝七時ごろ出して、午後三時をすぎたら念のためしまうようにしています。まあ当地は山間部なので午後三時ごろには日差しがだいぶ弱くなってしまうので無理に陽が落ちるまで干す必要はないのです。
27日日曜日には、夕方から雨との予報でしたが昼頃急な激しい雨が降りびっくりしましたがなんとか事前に避難させることができました。

夜の間もザルを出しておき、夜露にあてると良いという人もいますが、夜露程度ならまだしも、山間部は夜のうちにかなりの量の雨が降る場合が多いので夜は必ず室内に取り込みます。
室内に移した直後に梅を触るとけっこう熱くなっているので、エアコンなどで急激に下げることはせず、自然に温度が下がるまで待ち、下がったら除湿器をかけてカビないように気を使います。

漬けた時点で赤しそを加えて色を漬けてから干す分と、しそを加えずに素のままの色で干す分に分けます。なおしそを加えなくても、干すと紫外線の影響からか、真っ黄色の色がほんのり薄赤く染まってくるのが不思議です。このまましそを加えず自然な色で仕上げるのを「関東干し」と呼びます。自然な色の梅干しも料理に使うため、いつも小瓶に一つ分は紫蘇を加えずに仕上げます。

干してすぐの梅はとても酸っぱくフレッシュで、ついつい食べてしまいたくなりますがぐっとこらえます。

   

広告



シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. 北のリス より:

    よく拝見させていただいておりますが、はじめてコメントします。
    50過ぎの主婦です。

    すごくきれいな写真ですね!
    いつもの料理写真もおいしそうでリアルだなあと感心していますが、今回の梅を干す写真は最高です。
    まるで小さい頃田舎のおばあちゃんの家で見た懐かしい光景のようです。ノスタルジーな気分でいっぱいになりました。
    ポスターにして飾りたいくらいです。

    ありがとうございました。
    つい感動してしまってコメントしてしまいました。
    今後ともよろしくお願いします。

  2. 典座和尚(管理者) より:

     お褒めのコメントありがとうございます。
    確かに写真だと爽やかな夏って感じで写っていますが、実際は暑くて汗だくの土用干し現場です。来年は蝉のやや苦しそうな鳴き声が伝わるような写真を目指します。

     昔は多くの家庭で梅を干したようですが、今は激減してしまいました。都会では干す場所さえ確保するのが難しいと思います。梅を干すロケーションについては、当地は非常に

  3. リラックマ より:

    はじめまして。

    土用干しで検索していてたどり着きました。記事を拝見させていただいて気になった事があるのですが、プラスチックの角ザルのメーカー名(製品名)は何でしょうか?

    よろしければ教えて下さいませ。