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七月盆の空き時間に浄土宗大本山増上寺さまを参拝

浄土宗大本山増上寺参拝

東京七月盆のさなか、浄土宗大本山増上寺をお参りしました。

東京タワーのすぐ近くにある大きなお寺で、浄土宗の七大本山の一つです。

永平寺東京別院時代にも何度かお伺いしたことがありますが、今年の六月に浄土宗の寺庭婦人会研修講師で講師をつとめたご縁で、あらためて浄土宗の教義を勉強する中で久しぶりに現地をお参りしたかったからです。

東京滞在中の空き時間を利用して、早朝の勤行に参拝しました。せっかく東京に泊まるなら、お世話になった曹洞宗のお寺の勤行に出るべきなのかもしれませんが、東京盆でどのお寺も忙しい時期に同宗派のお寺を早朝訪問するのはさすがに気が引けます。他宗派だとそうした気兼ねはあまり感じずに済みますので・・・

増上寺さまの早朝勤行は、誰でも自由にお参りすることができます。この日も大勢の方がおられました。自由焼香用の香炉の炭の入れ方など、細かい作法が異なり勉強になります。

浄土宗大本山増上寺参拝

勤行は導師を含めて十一人でつとめていました。大本山でこの人数の勤行は少ないような気がしますがたぶんシステムがまったく異なるのでしょう。曹洞宗の大本山や道場では、黒いお袈裟の修行僧がおおぜい勤行に出ますが、皆さん木蘭のお袈裟でしたので修行僧ではないのかな?一人ずつ経机が前に置いてある点も曹洞宗と違いますね。本堂はすべて板の間敷で畳ではなく、僧の座る部分には薄い半畳拝敷(ゴザのような薄い移動式の畳)が敷いてありました。たぶん板の間に拝敷だと、足がしびれるだろうな・・

曹洞宗では導師用の香炉はご本尊さまのすぐ前におかれて、導師は法要中に何度も前に進んで焼香し、導師の座布団まで戻ってを繰り返しますが、導師席に移動用の手香炉が置かれ、あまり移動せずに拝んでいました。

お経の種類が違うのはまあ当然として、木魚の打ち方がかなり曹洞宗と違いました。単純な裏打ちとも違う、どういうタイミングで打っているのか一度聞いただけではわからない複雑な打ち方で、スピードも緩急の差が激しい木魚が興味深かったです。

何度も聞いているうちに、「同称十念」(南無阿弥陀仏、と10回みんなで唱える)の息継ぎというか、切れ目がどこなのかも覚えることができました。

法要全体の印象とても荘厳で、素晴らしい読経のハーモニーが広い堂内に美しく響いていました。浄土宗式の柱や天井の誂えもまた素晴らしかったです。常連さんは、備え付けのオリジナル経本を手に取って一緒に唱えていました。

浄土宗大本山増上寺参拝

お盆期間中のため、南側には施食棚(一般家庭で言えばお盆棚のようなもの)が設けられていました。勤行中に、それまで本尊さま側を向いていた導師が逆側の施食棚側に向き直り、三界万霊に対して読経と回向をしておられました。曹洞宗の場合、本尊さま側を向いての勤行が全て終わってから南側にむき直して法要する流れが多いと思いますが、こちらでは勤行の途中で南側を向き、再度本尊さま側をむき直して勤行の続きが行われていました。何か意味があるのだと思いますが、こうした違いもまた興味深いものです。導師は施食棚へ進前して焼香することはなく、足元の手香炉で導師位から焼香していました。施食棚の荘厳具やお供えものは、曹洞宗と似ていました。ただお供えのお膳はなかったようです。

勤行後に、参拝者に対して導師からの法話があります。これが楽しみだったのですが今回はまさに東京のお盆期間中で、おそらく予想ではこの後みなさんお経に出るのだと思います。そのためか、法話が短めだったのが少しだけ残念でした。しかし忙しいお盆中で、この後お経に出かけるなら朝の勤行を短く略するお寺もあると思いますが、法要は長めで、おそらく略していないのではないかと思う本格的なものでした。

浄土宗大本山増上寺参拝

堂内の特大火焔太鼓。大きさに驚きました。またいつか機会があればどんな迫力ある音なのか、叩くところを見たいものです。

浄土宗大本山増上寺参拝

素晴らしい荘厳です。金箔を多用した造りは、木材そのままを出すことが多い曹洞宗とはだいぶ違います。極楽浄土を模しているのでしょう。ご本尊さまがよくみえるオープン型のつくりは、参拝者にとってはありがたいことだと思います。永平寺でいえば仏殿のつくりに似ています。曹洞宗の場合、永平寺の法堂のつくりに似た、ご本尊さまが奥の方におられてあまり見えにくいつくりの本堂も多いので、こうしたよく見えるつくりは新鮮です。

どうしても気になった点があり、勤行の後少し待って、堂内の掃除のために出てきた若い僧侶に尋ねてみました。勤行中、足に襪子(タビ?)を履いている僧侶と、裸足の僧侶がいたのはなぜなのか、という質問です。答えは、僧侶の資格が低くまだ履けない者は履いていません、とのことでした。

曹洞宗では、「大衆一如」(だいしゅいちにょ)といって、原則的にどんな位でも、履くべき法要では初心者も高僧も全員が襪子(先が割れていないタビ)を履きますし、履かない法要では導師以外全員が裸足と、履き物についてはは完全に全員揃えているので、位によってタビの有無がかわることに驚きました。また曹洞宗の場合は入門してしばらくの段階は黒いお袈裟で、ある程度資格が上がると色付きのお袈裟を許されるのですが、今回の増上寺さんの勤行は全員色付きのお袈裟だったので、曹洞宗で言えばそれなりに一人前の僧侶の位にあたるのですが、それでもまだ襪子を履けない服制なのだなあ、と不思議に思いました。つまりお袈裟の色よりも、履き物の方が高い位を有するということですよね?

また曹洞宗の場合は、高位の者が上座(本尊さまの側)に座ります。もし位によって襪子の有無が決まるとしたら、本尊さまから遠い方に裸足の僧が座るはずですが、増上寺さんの勤行ではそういう規則性はなく、裸足の人はバラバラの位置に就いていました。この辺も何か理由があるのか聞いてみたい部分です。

今回は掃除の最中での声かけだったので、短い回答だけで留めておきましたが、こちらの聞き違いかと思って聞き直してしまったほどです。いやもちろんどちらが良い悪いではなく、それぞれ独自のシステムですから評価するつもりはありません。ただ、そうした規定になっているなら何か理由があるのでしょうから、いずれ機会があったら由来を知りたいと思いました。どんなことでも勉強になります。

浄土宗大本山増上寺参拝

朝の勤行後に境内を散策すると、ものすごい数のお地蔵様がずーっと奥まで並んでいます。一体一体きちんと帽子や前掛け、おべべが付けられています。施主家のふだがあるので、それぞれの家が祀っているのでしょうか。とてもありがたい光景です。

浄土宗大本山増上寺参拝

その奥には徳川将軍の墓所があり、一般参拝解放期間中でした。時代劇好きな私としては是非参拝したかったのですが、朝早い時間はまだ開いておらず、残念ながら門の外から遙拝しました。

浄土宗大本山増上寺参拝

鐘楼堂の大きさにまたビックリです。高さ3m、重さ15トンだそうです。江戸三大名鐘と名高く、大きさは東日本最大級だとか。早朝の空き時間を利用して参拝した増上寺で、大変良い勉強ができました。浄土宗の教えを学び対比させることで、より曹洞宗の教えの特徴を把握することができると思います。浄土宗さんから吸収させていただきたい点もたくさんありました。これからも引き続き勉強していきたいと思います。

日中は七月盆回り中の見知らぬ僧侶もちらほら見かけましたが、東京別院在籍時の十年前と比べてタクシー移動の僧侶が多かったように感じました。やはり当時よりも暑いですからね。地下鉄と徒歩だと倒れてしまう危険性が・・・涼しい群馬北部と違ってかなり体力を消耗します。車を気軽に停められないのも神経を使いますね。

浄土宗大本山増上寺参拝

浄土宗大本山増上寺参拝

両タワーを間近でみて時代の流れを感じつつ家路につきました。スカイツリーのてっぺんより高い標高の地へ帰るのはなんだか不思議な気分です。

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