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春のお彼岸精進料理_山菜のとろろとんぶりかけ

これから旬を迎える山菜。

当地のように雪深い地では、山の獣たちも、わたしたち人間たちも、雪が溶ける暖かい春を心待ちにしています。そして雪が溶ければそれまで静かに身をひそめていた木々や花たちが待ちわびていたかのようにほころびはじめ、白く冷たい凍り付くほど真っ白な山々が緑に、赤にと染まっていきます。

同時にほんのり苦い山菜が土中から勢いよく顔を出します。冬眠していた熊などは、穴から出たら苦みのある山菜をまず食べて体内に貯まった毒素などを排出させるそうです。人間の身体にも、春の山菜の苦みは体調を調えるためにとても重要です。あく抜きなど、面倒な手順を嫌がって敬遠する方も多い山菜ですが、日本ならではの季節感を大切にするため、そして健康維持のためにも積極的に献立に取り入れたい食材です。

また一年間でこの時期だけしか口にすることができない貴重な山のめぐみだからこそ、お彼岸のお供え膳としてもありがたさが増すでしょう。

こごみとたらの芽のとろろとんぶりかけ_春彼岸の精進料理

今回は、それほど面倒なあく抜きをしなくても良い、比較的手間がかからない山菜として「こごみ」と「たらの芽」を選びました。店頭ではこれからの時期1パック100円台~高くても数百円で売られているので入手しやすいと思います。

それでは調理手順です。

1 こごみ30gを軽く洗い、根の方があまりにも堅い場合は取り除き、食べやすい長さに切ります。たらのめ50gのハカマ部分に堅い皮のようなものやトゲがある場合は鉛筆を削るような感じで先をむきます。太ければ縦または十字の切れ込みを入れます。

2 1を塩ゆでします。あまりしっかりゆですぎると食感も色も悪くなるので少し堅さが残るくらいにほどよくゆでます。野生のこごみ、たらの芽の場合はあくが強いのでゆでたあと数分多めの水につけてあく抜きをしますが、市販のものはハウス栽培のものがほとんどでアクはあまりないので、水に浸けてあく抜きをしてしまうと風味まで抜けて味がしなくなるため、ゆでるだけで十分です。

3 長芋、大和芋など50gの皮をむき、すりおろします。芋の質により粘り具合というか、なとろとろ具合が大きく異なるため、必要に応じて水分を加え、あら塩少々を加え、すり鉢ですって緩めます。

多くの場合、長芋ならすってそのままでも良いでしょう。大和芋など、粘り気が強いものは少しダシを加えた方が食べやすくなります。

できれば、どんな長芋でも、面倒でしょうが一度すり鉢に入れ、あら塩少しを加えてすった方がなめらかになり、口当たりが格段に良くなります。大きなすり鉢をその都度出すのは大変でしょうが、少人数の日常調理用に直径10センチほどの小すり鉢を用意しておくとすぐ取り出せて便利です。

なお加える水分はできれば昆布ダシが良いのですが、今回の献立の場合だと昨日紹介したタケノコの汁を大さじ1~2ほど拝借して加えると良いでしょう。昆布ダシを少しだけ用意するのは難しいため、その時いっしょに作っている汁ものを少量流用すれば手軽です。

こごみとたらの芽のとろろとんぶりかけ手順_春彼岸の精進料理

こごみとたらの芽のとろろとんぶりかけ手順_春彼岸の精進料理

4 うつわにこごみとたらの芽を盛り付け、3のとろろをかけ、とんぶり大さじ1を添えて盛り付けます。

お供え膳の場合は見栄えを気遣って、このようにとろろを上掛けする形で盛り付けると良いですが、自分ですぐ食べるなら具材ととろろを混ぜてしまい、あえものとして盛り付けても良いでしょう。

なおとんぶりは昔、掃除に使うホウキの穂先に使われていたホウキギの実で、キャビアに似ていることから「畑のキャビア」「和のキャビア」とも呼ばれ、今は主に秋田県の名産として流通しています。

栄養豊富で古来薬として重宝され、利尿、強壮の漢方薬としても有名です。また最近の研究ではとんぶりに含まれるスコパリアノシドとコチアノシドが血糖値の上昇を抑えることがわかったそうで、糖尿予備軍の方や、急激に血糖値を上げないことで肥満を避けるインスリンダイエットをなさっている方には特におすすめの食材です。

ご先祖様も、「我が家でもお供え膳にキャビアが!」と驚かれるかもしれませんね。

こごみとたらの芽のとろろとんぶりかけ_春彼岸の精進料理

こごみとたらの芽のとろろとんぶりかけ_春彼岸の精進料理

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