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迦葉山龍華院弥勒寺十年に一度のご開帳

 天狗の霊峰として広く知られる沼田市の古刹、迦葉山龍華院弥勒寺にて、平成27年4月28日から5月28日までの間、十年に一度の大開帳が行われています。

迦葉山御開帳

 お寺の名前は弥勒寺(みろくじ)ですが、山号である「迦葉山(かしょうざん)」の呼び方が世間一般で通っています。私が住職をつとめる寺の本寺さまのさらに本寺さま(本寺というのは一般で言う本家のようなものです)がここ迦葉山であるため、その縁で御開帳中のお手伝いに通っています。

迦葉山
 森林文化都市、沼田市の山々を見下ろす深山幽谷の地まで長い坂を登って参拝します。山門近くのお土産店に車を停め、トレッキングがてら徒歩で登って来られる方もたくさんおられます。

迦葉山の残雪
 すでに5月なのに境内にはまだ雪が溶けずに残っているほどの高地。日なたですよ?なお建物の北側の日陰には1m近くの雪が残っています。
写真の左奥に少し見えますが水芭蕉も咲いています。

 だいぶ前から地元沼田市観光協会と連携して地域を挙げての広報がなされてきました。その成果もあってか、この黄金連休中は特に参拝者が多く訪れております。ただ言葉では「御開帳」「大開帳」といっても具体的にはそれが何なのか、お参りなさっている方もよくわかっていない方がたくさんおられます。そうした方々への御開帳の意味の説明、参拝の整理誘導、受付などのお手伝いをしています。

迦葉山
 
 迦葉山の初代住職の時代、不思議な小僧さんがお寺で修行していたそうです。何年経っても子供のままで年をとらず、不思議な神通力を使って困ったことを解決したり伽藍を建てたりして住職を支えたそうです。初代住職がお亡くなりになるとき、その小僧さんは「私の役目は終わった。あとは人々の苦しみを消すために山に戻って寺を守ろう」と言って空に消え、その後には天狗のお面が残されていたそうです。そう、その不思議な小僧さんは天狗の化身であり、人々のために寺を整備する初代住職に力を貸していたのです。それ以降、迦葉山は天狗の寺として人々の願いと祈りを捧げる霊場となりました。
 
 普段は天狗さまをお祭りしている中峰堂のはるか下からのお参りとなりますが、この御開帳期間中だけは、天狗様がおられる奥殿の厨子の扉が開き、厨子のすぐ前まで登ることができ、天狗さまのすぐ前で願い事を祈ることができます。
 奥殿まで昇ることからこれを「昇殿(しょうでん)」と呼びます。

急斜面に建つ中峰堂
 
 昇殿には受付が必要ですが、時間帯によっては混んでだいぶ待つ場合がありますのでご注意下さい。

 天狗さまの像が安置されている厨子には、簾(れん・すだれ。細い棒状のものを紐で編みつなげたもの)や帳(とばり、ちょう。布などの垂れ幕)を上から下に垂らしてお隠しする型と、木製の扉を開け閉めする型などがありますが、一般的に特定の期間だけその厨子が開かれる場合、簾を上に巻き上げる場合は「御開帳」とよび、扉を開ける場合は「御開扉(ごかいひ)」と呼びます。どちらもあわせて「御開帳」と呼ぶ場合が多く、今回の迦葉山でもポスターなどでは御開帳と呼んでいますが、正確には今回のお天狗さまの厨子は扉があけてあるため、法要などの中では「御開扉(ごかいひ)」と称しています。

迦葉山御開帳中の御祈祷法要
御開帳中の特別御祈祷法要

 また期間中は特別祈祷が一日に5回行われ、山主(迦葉山住職)自らが導師となって施主の願い事をかなえるための法要が勤められます。大般若経の功徳により、祈りをこめた立派な木のおふだに願主のお名前と願い事が記載されて授与されます。大勢の僧侶による荘厳な読経と、鳴り響く大太鼓の響きが天狗の寺の幽玄さと禅の妙味を感じさせてくれます。御祈祷を申し込んだ方は、法要後に奥殿への参拝も優先で案内されます。

迦葉山住職のおことば
 法要後、祈祷申し込み者に御法話をなさる山主さま。曹洞宗の参議、そして大本山永平寺の顧問を現職でつとめておられる全国でも指折りの高僧です。毎日6回の御祈祷法要の導師を欠かさずつとめておられます。直接お目にかかることができるだけでも価値があるでしょう。

 さて、ここから先はお得な裏情報です。
ふだんからたくさんの信者や参拝者が集まる迦葉山ですが、十年に一度、しかも一ヶ月だけの御開帳中とあって、時間帯によってはものすごく混雑します。
せっかくこの御開帳中にお参りするなら、奥殿まで進んで天狗さまのすぐ前で願い事を祈ってほしいと思いますが、なるべく混む時間を避けて上山した方が良いでしょう。

迦葉山御開帳
昇殿参拝を待つ長蛇の列。連休中はまあ仕方ないですね。

 朝は6時半~7時ごろであればまだすいていますので、近くにお泊まりの方は朝一番にお参りするとほとんど待たずに入れます。
そして御祈祷の法要が朝6時半、9時半、10時半、11時半、午後1時半、2時半に行われますが、御祈祷法要は天狗さまのお堂で行われるため、御祈祷法要が始まる10~20分前くらいになると奥殿への参拝がいったん中断されてしまいます。御祈祷法要が終わると、御祈祷申し込み者をまず優先で奥殿へ案内するため、法要の前後は昇殿待ちが長蛇の列となり、連休中は最長一時間半ほど待つ場合もありました。
 御祈祷法要は、申し込みが全く無い場合は行われない時間もありますが、連休はもちろん、土日祝日はほぼ毎回申し込みがあるため、子供連れなどであまり列に並びたくない方は御祈祷法要の前後を避け、平日の午後に上山するか、朝9時まで、あるいは午後3時以降であればあまり待たずに奥殿まで進むことができます。
 また日差しが強い時間に並ぶ場合は日傘や水分補給などご自分で脱水を防ぐ配慮が必要でしょう。
 
 駐車場に車を停めたらまずは奥殿への参拝を行い、そののち諸堂へのお参りをする順序が良いでしょう。

 <追記>
連休中はものすごい混み具合でしたが、連休をあけてからそれほどのひどい混雑は今のところありません。
それでも午前11時~12時ごろが最も混む時間で、タイミングによっては15分以上お待ち頂く場合もあります。
それ以外の時間であれば待っても中に上がるまで5分程度の待ち時間がほとんどです。

なお問い合わせメールをいくつか頂いたのでお答えします。

問「ご開帳は何時から何時までですか」
答「ご開帳中の奥殿にお参りいただける時間は、朝は8時ごろから始まり、夕方は4時までです。
  堂内の清掃をする都合もあるので、たとえばその日の受付終了が4時であれば4時2分に到着しても、
  残念ですが中の清掃が始まってしまえばもう入れません。
  またその日の法要などお寺の都合で受付終了時間が早まったり、少し延長したりする場合もあり確定時間ではありません。」

問「典座和尚さんは必ずおられるのですか?」
答「いえ、あくまでもお手伝いなので自分の寺で法要がある場合はお手伝いを休んでおります。
  また必ず案内係をしているわけではなく、裏方にいる場合もあります。
  私に会うために?お越しになるというのは迷惑がかかるのでやめてください」

問「迦葉山への交通手段は?」
答「この質問は、たまたま私が迦葉山の受付でとった電話だけでも数件ありました。
  東京方面からは上越新幹線の上毛高原駅(じょうもうこうげんえき)が最寄り駅です。
  あるいはJR在来線ですと沼田駅(ぬまたえき)です。
  駅からはタクシーで40分ほど、片道7~8000円くらいかかります。
  山奥のお寺なので、往復だと駅からレンタカーを借りた方がおそらく安いですね。
  あるいは数人でまとまってタクシーに乗るとよいでしょう。
 
  どうしてもという方は迦葉山行きのバスが駅からでており、ふもとまではバスで行けます。
  そこから徒歩で歩くと健脚家なら30分、ゆっくりだと1時間くらいの坂道になります。
  歩いて参拝する方も中にはおられますし、それが本来の形かもしれません。
  ただしお車には充分気を付けてお歩きください。

  またはとバスさんで東京から日帰りのご開帳参拝ツアーもまだ少し空きがあるようです。  

  自家用車の場合は関越高速道で沼田ICか月夜野IC下車、そこから約20分です。
  迦葉山のふもとからは道が二股になっていて、登りの方は左側の道にお進み下さい。
  大きなろうそくが二本立っており、「迦葉山入口」と大きく書かれています。
  天狗のお面を売っている「やのや売店」のろうそく入り口を左折です。
  そして拝観後は駐車場の奥の坂の道を下って帰る、イロハ坂のような一方通行式です。
  ナビだと帰りも同じ道を指示する機種があるようで、たまに元来た登り用の坂を戻って
  降りてしまう方がいるようですが逆走になり危ないのでご注意下さい。」

問「ご開帳の料金はおいくら?」
答「これまた多いお問い合わせです。
  基本的にお寺ですから料金というのはありません。お参りだけなら無料です。
  ただし御開帳中だけお参りできる、お天狗さまのおられる奥殿に入るには拝観のお布施として
  1000円をお納めいただきます。これにより「昇殿券」を受けることができ、奥殿へのお参りの後、
  玄関など用のおふだなどが入った記念品が渡されます。
  昇殿券はご家族ごとの入場に1枚必要となり、一家族であれば複数人であっても1枚で入ることができます。
  また奥殿での賽銭の金額は任意です。
  なおあらかじめ今回のご開帳にあたって志納なさった信者の方はお寺から昇殿券が郵送されていますが、
  その場合はその券をお持ちくださればあらためて受付の列に並ばずともお入りいただけます。
  また、御祈祷の法要をお申し込みになる方は、奥殿への参拝もセットになっていますので同じく列に並ぶ必要はありません」

なお以上の回答はあくまでも閲覧者、参拝者の便宜上掲載するもので、
私は迦葉山内部の者ではなくあくまで手伝いの者のため、御開帳中の公式発表ではありません。
内容は都合により突然変わることもあり得ます。また間違えがあっても責任は取れませんことをお断りしておきます。
受付で何人もの方に同じ質問をされますし、事前に調べてもよくわからない、とのお声が多かったため
迦葉山の副住職さまのお許しを得た上で、現時点での情報を掲載致しました。

迦葉山御開帳中沼田市物産展

迦葉山御開帳中沼田市物産展

迦葉山御開帳中沼田市物産展

迦葉山御開帳中沼田市物産展

 なお境内では御開帳中期間のために特別に設置された沼田市物産展が開かれています。
来年は真田氏がテーマのNHK大河ドラマが放映される予定ですが、真田氏と縁深き沼田市の名産品が一箇所で買えるためお土産に大変便利です。
 境内で案内をしているとおいしそうな香りが漂ってきて食欲を刺激し、手伝いの僧侶一同、微妙に困っています。

迦葉山御開帳中沼田市物産展
群馬名産のおいしいコンニャク 

迦葉山御開帳中沼田市物産展 
同じく地元グルメの味噌饅頭

迦葉山御開帳中沼田市物産展
御開帳限定、レアな天狗コーヒー

 御開帳は5月28日までです。都内から新幹線なら東京駅から1時間強で最寄り駅の上毛高原まで行けますし、車だと練馬から迦葉山まで平常時は2時間30分ほどです。是非このご縁にお参りをなさってください。境内で皆様とお会いできるかもしれません。

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