広告



新到掛塔式

修行道場の一年間は、大きく四つの期間に分けることができます。
解間(げあい)が三ヶ月、次に制中(せいちゅう)が三ヶ月。これが年間二回あります。

制中と解間の区切りは道場によって異なりますが、永平寺別院の場合だと、
二月中旬~ 春の解間  
五月初旬~ 夏の制中
八月初旬~ 秋の解間
十一月中旬~ 冬の制中
となっています。

まず解間(げあい)というのは、修行に区切りをつけた雲水が道場を後にし、またあらたな入門者が上山する、いわば入れ替えの期間です。
俗世間の学校で、春には卒業と入学の時期になることに似ています。ただし、学校と違い、何月何日が卒業式、と決めて全員一緒に学校から旅立ったり、全員そろって入学式を迎えるのではなく、解間の期間ならば、各人の都合にあわせて道場を卒業する日を決められるし、また道場に入門する日も寺の都合などにより数回に分けて行われます。
なお、修行を終えて寺を去ることを「乞暇(こうか)」または「送行(そうあん)」などと呼び、新しく道場に入ることを「掛搭(かた)」または「上山(じょうざん)」などと呼びます。

そして制中(せいちゅう)というのは、出入り期間である解間を閉じ、残った者と新しく上山した者、メンバーが揃ったところでみな腰を落ち着けて修行に専念する期間です。
この間は、原則として上山も乞暇もできず、寺から外出することも厳しく制限されます。

ことしも、二月の中頃から新しい入門者が数度にわかれてわが永平寺別院に上山し、そしてまた数人が道場を後にしたのでした。

上山した者は、すぐに正式に雲水として認められるわけではありません。
しばらくは客人扱いです。そのへんの詳しいしきたりはまた後日御紹介するとして、
今日五月一日に行われた「新倒掛搭式」は、二月以降に上山した新しい求道者たちが、正式にこの道場の雲水として認められる式です。


新到掛塔式

老師に向かって相対し、そろって挨拶の礼拝を行います。
この日を迎えるまで、いわば長い見習い期間を過ごした彼ら。
かつて自分がそう感じたように、各自の胸の中には、おそらく熱いものがこみ上げているはずです。上山して数ヶ月。親元を離れ、俗世の縁を捨て去って厳しい修行の世界に身を投じ、ようやく一つの節目を迎えたのですから。

しかし、掛搭式がすみ、正式な雲水として認められたからといって修行が楽になるわけではありません。明日からも、変わらぬ厳しい修行が彼らを待ち受けています。
しかし、上山以来彼らが抱えていたであろういくつもの不安が、ほんの少しだけ自信に変わったことだけは疑いないでしょう。

広告



シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする