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春香るタケノコご飯

「旬」という言葉には「10日間」という意味がありますが、旬に竹で筍と書く通り、タケノコは一年のうちに10日間ほどしか食べ頃がありません。

実際、一つの竹林でタケノコが出はじめると、穫るのが間に合わないほどいっせいに生えて、2週間前後でぱったりと終わってしまいます。
一般的な野菜と違い、背の高い竹林で収穫できる筍は、種を蒔く時期をずらすとか、ビニールハウスで収穫時期を調整して栽培することもできず、通常は自然に生えてくる時期にまとめて穫るしかありません。

では1年のうちに10日間しか出回らないのかというとそうではなく、1月ごろには高級料亭で初物のタケノコを味わうことができ、ちょうど桜の開花時期のように、南から北に向かってタケノコの旬が北上していきます。
九州では2月から3月に旬を迎え、京都で3月から4月くらいでしょうか。北陸や関東では4月から5月くらいということになります。もちろん、同じ地域の中でも標高によっても違います。
当地のように桜が4月末に咲く地域は、当然タケノコも遅く、5月になってようやく生えてきます。そのため大きな市場では、2~5月はじめまでの数カ月、産地をずらしてタケノコが入荷されます。ただし遠くから取り寄せたものは、地元産に比べてお値段も高くなりますし、運送時間の関係で鮮度もいくらか落ちます。

またなんでもそうですが、ものごとには一般的なイメージというものがあり、タケノコでいえば四国や京都で採れる時期に、テレビで朝どりのタケノコが生中継されることが多いため、どうしても3月から4月が旬、というイメージが定着しています。
実際、料理本などでは、旬を迎える前の2月か3月発売の本にタケノコ料理が載る場合が多いです。

そのため当地で5月にタケノコが入手できるころには、もうブログに取り上げるには時期が遅いという印象が否めず、今までタケノコ料理は避けていました。
(じゃあ3月4月にタケノコを関西から取り寄せて掲載すればいいじゃないか、と思うでしょうが4月はお寺がとっても忙しいのです…)

まあでもそんなこといってたら永遠にタケノコの話題がブログに書けません。今年は、ちょうど先日立派なタケノコを知人からいただいたので、せっかくなのでタケノコ料理を扱うことにしました。
ブログ記事は来年以降も残るので、すでに今シーズンタケノコが終わってしまった地域は、ぜひ来年料理してください。


どうですか、この立派なタケノコ。皮の表面をながめていると自然の造形美に惹かれます。
オブジェとして部屋に置きたいほど整った美しさと豪快さ。

まずは最もベーシックなタケノコ料理、タケノコご飯です。
ほとんど失敗することなく、誰でも旬の香りが味わえます。
あまりしょう油を加えず、タケノコの淡い香りが楽しめるようにご飯自体は薄く味をつけることがポイントです。多めに炊いて残りは冷凍しておくと良いでしょう。
しょう油と同時に酒を多めに入れることで、釜の底の部分がすこしお焦げになり、これまた独特の味わいが楽しめます。タケノコは小さく切った方が上品に仕上がりますが、あえて見栄えを犠牲にして大きめに切る方がタケノコの味がダイレクトに味わえます。
ただし歯の悪い方やタケノコが硬い場合は小さめに切って下さい。

1 お米1合を研ぎ、ザルにあげて20分ほどおく。
2 あく抜きしたタケノコ100gを乱切りなど食べやすい大きさに切る。
穂先など柔らかい部分はある程度大きめでも可。
3 薄揚1枚を細切りにする。
4 1のお米を炊飯器の釜に入れ、まず酒大さじ2,しょうゆ小さじ2,塩少々を入れる。
次に水を1合の基準線まで加え、最後に2と3の具、昆布3gを載せて炊飯する。
5 15分ほど蒸らし、昆布をとりのぞき、具をよく混ぜる。
6 好みで木の芽を散らす。

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